第13回日本脊椎・脊髄神経手術手技学会(JPSTSS学会)

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第13回JPSTSS学会・学術集会の開催にあたって
 

第13回日本脊椎脊髄神経手技学会は2006年(平成18年)9月22日(金)23日(土)の両日に東京都新宿区の京王プラザホテルで開催されることになりました。今回会長を拝命することとなり大変光栄に思いますとともにその重責を痛感いたしております。本学会は脊椎外科と脳神経外科の垣根を取り払って臨床に直結した本音の議論がなされる場であり、また世界同時進行ということで海外からも多くの先生方の参加があるため最新の医学情報が得られるので若手のみならずベテランの先生方にとっても有意義ではないでしょうか。最近の臨床研究ではEBM(evidence based medicine)の重要性が強調されております。もとよりEBMの意義を否定するものではありませんが、症例は個々それぞれ異なるもので画一的な治療が困難な場合も少なくありません。日頃の臨床における小さな工夫の積み重ねや困難な症例の治療経験が手術手技の向上と良好な治療結果につながると考えます。現場の治療にfeed backできる実践的な臨床研究、このことが重要であり本学会の主旨であるともいえます。今回主題を1.腰仙部固定におけるinstrumentationの手技と工夫。2.脊椎感染症に対する手術療法。3.最小侵襲手術手技。4.脊髄血管病変の手術療法の4題といたしました。主題1の主旨は腰椎変性側弯ではlong fusionを余儀なくされる例も多く、腰仙部固定には適応を含めてさまざまな問題が生じてきます。これらの諸問題の解決策としての手技と工夫をご討論頂きたいと思います。脊椎感染症では結核性が激減し、化膿性脊椎炎の発生が増加しつつありますが、最新の治療におけるconceptと手術療法についてご討論頂きたいと思います。最小侵襲手術手技はもはや脊椎脊髄外科の一分野として確立された感がありますがさらなる発展が期待されます。脊髄血管病変は脊椎外科医の不得手とする分野ではないでしょうか。脳神経外科の先生方に治療法についてお話しいただいたことが治療の参考になればと思っております。本学会は個人参加が原則であり、自由な発想と率直な議論が行なわれることが特徴のひとつであります。どうぞ活発なご討論をお願い申し上げます。招待講演は白石建先生、Wafa Skalli先生の2名の講師の先生を予定しております。講演の内容は白石先生には頚椎外科における低侵襲手術について、Skalli先生には脊椎のbiomecanicsについて講演していただく予定です。さて本学会は参加者が一同に会して議論をするのが原則でありましたが、会を重ねることに多くの先生方の参加があり一会場による運営が困難となりましたので第13回より一部で2会場による開催となります。多くの先生方のご参加をお待ちしております。

 


第13回日本脊椎・脊髄神経手術手技学会
会長 斉藤 正史
(慶友整形外科病院 慶友脊椎センター)