平成23年3月11日の東日本大震災から約10ヶ月が過ぎようとしています。
被災された東北地方は今なお多くの問題が残されておりますが、ここ八戸市も含め、必死に復興に向けて取り組んでおります。
この度、第19回日本脊椎•脊髄神経手術手技学会(JPSTSS学会)を、青森県八戸市のグランドサンピア八戸Hotel & Spaにて、平成24年9月14日(金) 〜15日(土)に開催いたします。第19回の会長として本会のお世話をさせて頂きますことを大変光栄に存じております。第1回JPSTSS学会が熊野 潔理事等のもと東京にて開催されてから18年が経過しました。その間、周辺機器の進歩と相まって、脊椎手術は向上の一途にあります。その中で多くの手術手技を発信してきた本会の存在意義は我が国の医学会において大変大きいと考えます。
本会の設立当時からの理念であります 1. 世界同時進行 2. 整形外科医と脳神経外科医の脊椎外科医としての技術や知識の交流•交換 3. 縛られることのない個人による自由参加という3つのスローガンはずっと引き継がれております。特に外国人ゲストを含めた脊椎•脊髄手術に熱く取り組む整形外科医と脳神経外科医の活発な討論が行える本会は我が国でも大変貴重な学会であります。
手術方法は時代とともに変わります。物事の変遷は時代の要請です。脊椎手術の変遷も同様です。時代の要請に応えるべく、たえず挑戦する心が新しい技術や手技を生んできました。そこで今回の学会のテーマは挑戦 (Challenge)としました。また、治療に難渋する症例や合併症に対しても真摯に取り組み、挑戦する気持ちが必要です。豊かな発想から生まれた新しい方法、考え方や進歩的な手術術式、手技は時代の要請から生まれます。皆様の独創的な発表を歓迎します。
主題は 1. 高齢者の胸腰椎手術 2. 脊椎外傷 3. 感染性脊椎(術後感染含む) 4. 低侵襲手術の限界と挑戦 5. 頚髄症手術 としました。高齢者胸腰椎は厄介な問題を伴う事が多く、今後も注目すべき分野であります。また脊椎外傷、感染性脊椎はいつの時代でも取り組まないといけない重要なテーマであります。さらに低侵襲手術は現在のトレンドですが、限界もみえてきました。最後に頚髄症手術は昨今後方法が主流であるため、前方法が出来ない脊椎外科医が増えることが危惧されています。十分議論したいと思います。
9月の八戸は気候も穏やかです。周辺には十和田湖や奥入瀬渓流、秘湯などの美しい豊かな自然があり、町には美味しい魚介類が溢れています。学会終了後は連休となっておりますので、ご家族同伴のご参加もぜひご検討ください。
2011年12月
第19回日本脊椎・脊髄神経手術手技学会 (JPSTSS学会)
会長 末綱 太 (八戸市立市民病院 整形外科)
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